3.11の東北大震災から6年目を迎えた2016年5月に始まった
気仙沼・前浜における被災地支援活動としての大地の再生
現地の方との協働も、あれから3年半。
第9回目の開催です。
前浜に3本の「水脈」を回復させていくこと
津波に家や鉄道がさらわれた跡地を「風の草刈り」で繋いでいくことを主体に、地元の方々のお話を交えて
地域の歴史、文化、風土、自然、暮らしを体感しながら
海から山へと繋いでいく作業を続けてきました。
人の地道な手作業を
コツコツ続けていくことで
何かに頼ることなく
自分たちで
これほどのスケールをつないでいける
そんな、地域づくり、環境づくり
継続的に重ねていくことの意味を体感できる貴重なフィールドです。
前回から手がけ始めた「前浜の秘境」のその後どのような変化がもたらされているでしょうか。
大地の再生では、西日本豪雨災害、台風19号災害等、これまでの被災地支援を経て今、災害及びその復旧について、自然と共創する視点と手法が確立しつつあります。
災害対策・災害復旧という非日常でありながら、それが暮らしという日常といかにリンクしているか、その両者が環境保全にも繋がる視点と手法。
防災でもあり、それがまた私たちに豊かさをもたらしかつ次世代に繋いでいけること、それが現場を通して具体的になってきました。
今回はそのあたりのことも皆んなで共有できる機会になると思います。
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【場所】
宮城県気仙沼市本吉町 前浜地区
○集合場所
前浜マリンセンター
宮城県気仙沼市本吉町前浜225-1
https://goo.gl/Y4uplN
【テーマ】
~地域や風土を体感しながら、大地の再生視点で、地上と地下を繋ぐ~
【実践内容】
海、川、山のつながりを活かす、海沿い地域の環境整備
この土地に代々暮らす方々の土地にまつわる話とともに
流域生態系、流域文化を実地で学べる機会です。
〇 前浜地区の水脈メンテナンス及び整備
小川のメンテナンス、側溝のメンテナンス
〇 津波跡地の風の草刈り
風の草刈りでエリアをつなぐ、冬の草管理
○ 前河原漁港から山に向けて水脈メンテナンス及び整備
前浜の秘境の環境改善及び整備・手長山へ向けて、海から山へ
沢筋を水脈基点に、地上部と地下部をつなぐ
※フィールドを観察し(見立て)ながら、
その時に必要な実作業をしていきます。
【タイムスケジュール】(予定・目安)
○1日目
9:00 現地集合・受付・自己紹介
9:30 説明及び作業
※途中休憩あり
12:30 昼食休憩
13:30 作業
※途中休憩あり
16:30 振返り・質疑応答・片付け
・・・・・・・
18:00 入浴
20:00 夕食・座学
○2日目○
8:30 集合・作業開始
※途中休憩あり
12:30 昼食休憩
13:30 作業
※途中休憩あり
16:30 振返り・質疑応答・片付け
18:00 終了予定
【参加費】
一般の方 5000円/日
東北の方 2500円/日
気仙沼の方 無料
※流れを体感できる二日続きのご参加がおすすめです。
【食事】
昼食はお弁当を注文することができます。
※1月20日までにお申し込みください。
※申し込み時に食事の有無をご連絡をください。
○25日(土)
昼食 800円(地元ヤジロベエのお弁当)
夕食 ? ※飲み物は各自持ち寄り制。差し入れ歓迎です!
●26日(日)
朝食 500円
昼食 800円(地元ヤジロベエのお弁当)
【宿泊】
詳細お待ちください。
【服装】
作業着(長袖・長ズボン)、作業手袋、長靴、
帽子、タオル、雨具(カッパ上下)
防寒着
【持ち物】
・移植ゴテ、ノコ鎌、剪定バサミ、手ノコ、
剣スコ、みつぐわ、つるはしなどの道具
(お持ちでない場合は、お貸しいたします。)
・寝袋
各自必要なもの。
【お申し込み・お問い合わせ】
下記連絡先メールアドレスまで、必要事項明記の上、ご連絡ください。
フェイスブックの参加ボタンも押していただけると幸いです(これだけだとお申し込みにならないのでご注意ください)
・お名前
・電話番号
・参加日(25日、26日、両日)
・食事の有無(25日の昼・夜、26日の朝・昼)
・宿泊の有無(24日、25日、26日) ※講座中の夜ほか、前泊・後泊含む
【連絡先】
大地の再生講座事務局:
iwata-organiz@daichisaisei.net
(講座参加、申し込み先)
担当:岩田 090−1154−6519
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『前浜「椿の森」プロジェクト
〜エコロジカルな伝承の未来のために〜』
http://sc704c0b4ab5bcaee.jimcontent.com/download/version/1448525000/module/9727828979/name/BIOCITY61.pdf
より抜粋
この前浜マリンセンターには、地元前浜の木材が約九〇パーセント使われています。蓄積された里の資源を活用した地産地消です。
しかしこの再建プロジェクトは、見方によってはまだ完遂されてはいません。その建築木材の伐採跡地や津波浸水域や宅地の法面など屋敷森の復元に、ツバキやシロダモ、マサキ、ヒサカキ等、地元の海岸植生(針葉樹や落葉樹も含む)を基本にした照葉樹の森を造る試みが、静かな着実な歩みとして始まっています。
このマリンセンターの再建を可能にしたのは、今は亡き地域の先人達による植樹です。それは見方を変えれば、災害に見舞われた子孫達「未来への贈与」だったと思います。死者という過去が、災害からの復興という現在を支えている。その贈与を受け取り、マリンセンターを再建した縁起において、私達には彼ら死者達への恩返し・返礼が課せられています。それは如何にしてなされるべきでしょうか。もしかしたらそれは、先人達の生き方を踏襲し、未来に向けて樹を植えることではと思います。
それはむしろ、ご恩返しというよりもご恩送りというべきものです。
この植樹という「死者達と生きる」行為を通して、私達は過去と未来を確かに繋ぐことができるのかも知れません。それは、未来の前浜マリンセンターの建設プロセスの始まりでもあり、未来の人々の防災・減災に寄与する持続可能な地域社会のための伝承的な回帰と反復だと思います。
気仙沼 前浜
千葉 一(ちば・はじめ)
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〜過去講座の振り返り〜
「大地の再生講座 with 椿の森プロジェクト Part3」は、台風10号の通過の後でした。いつもは座学から始まる講座も、この日ばかりは、台風の猛威とその機能の確認というフィールドワークから始まりました。
豊かな磯場を潰して作られたコンクリの工事用仮設道路、工事後は撤去する約束も反故にされたまま20年近くも経っていました。しかし台風10号は、その問題を解決に導くかのように、それを粉々にし、磯と崖の本来の豊かな関係を私たちに示してくれたように思います。豊饒の磯の再生のヒントを与えてくれたような…。波や風など自然の営為・営力をただ単に封じ込めるのではなく、それに順応した関与が大切であることを、私たちにメッセージとして残してくれたと思います。
自然との対話の作業が必要です。そのダイアローグを開く鍵は、個別特化・分業化された生活にあるのではなく、すべての要素、その曖昧性を繋ぐ脈流、あるいは、セルフセントリックな近視眼的物的合理性や利潤や利子や成長と言ったものから距離を置いた「中空」に、生活者として真摯に丁寧にゆっくりと地道にかかわっていく事かも知れないと…。
前浜おらほのとっておき
千葉 一(ちば はじめ)
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~「大地の再生講座 結の杜づくり」に向けて~
日本の各地で、
傷んできた大地の再生講座をひらかせてもらうようになり、
大地の再生は、関わる四者の結い作業(協働作業)によって
成り立ってゆくものだと 改めて思うようになりました。
一. 杜の園芸
二. 講座の参加者
三. 講座で関わる地域(人社会)
四. 講座で関わる自然(生き物社会)
杜の園芸と参加者の方だけのギブ&テイクでは終わらない。
その学びと改善の余波は、直接流域におよび、
その場とその周囲に影響し合う責任を
問われてゆくことになるでしょう。
“結の杜づくり”
それは、まるで おまつりのおみこし担ぎのよう。
−− 誰かがつかれたら誰かが入れ替わり、
力のある人・ない人 それぞれに力の流れをつむいで
おみこしは進んでゆく。
命の作業は、
あわてず、あせらず... ゆっくり急げ。
人だけが楽しむのではなく、
みなが力を出し合う、ささやかな結い作業によって
命はつながってゆく。 −−
それは、小さな動きから大きな動きまでが連鎖してゆく
自然の生態系の動き・流れそのものに重なります。
そもそも「杜」の語源とは、
−− 人が森の神に誓って
「この場を、傷めず、穢さず、大事に使わせてください」
と祈りを捧げて、ひも(紐)張って囲った場、を意味する和語 −−
と、ある本に記されていました。
この大地の再生講座(学び)が
願いや想いだけにとどまらず、具体的な
大地の要である水脈機能(大地の空氣と水の循環)を回復するための、
人と自然との協働作業(結)として
一歩一歩つむがれてゆくことを願い、
今年もスタートしていきたいと思います。
杜の学校 矢野智徳
2017年あらためて現在の大地の再生結の杜活動をスタートさせた時の言葉より
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〜発起人 あまつちのうた 「第1回目講座開催にあたり」より〜
海の豊かさは、海が川、森(山)とつながっていることでもたらされる循環という自然の巧妙、多くのいのちがともに関わり生きていることの意味、豊かさや恵み「生物多様性」「生態系」「共生」。今の時代に抜け落ちてしまいがちな大切なこと。震災で一度立ち止まり、あらためて地域を見つめなおした東北の方々が、大事にしようとされている地域文化と自然の恵みとが共存する順応的復興。そんな復興が実現してほしい!と、応援を続けていたら、「大地の上と下の循環をしている人がいるよ」と教えられて出会った 地球の庭師とも言われる矢野智徳さん。
大地の呼吸に着目しながら、自然がしているすべから紐解かれたその手法とエッセンスによって、人と自然とが心地よく共存していく環境を生み出す... そんな矢野さんの大地の再生。そこには「循環」「多様性」「生態系」「共生」すべてがありました。しかも、移植ごてと草刈鎌を手に持てば、誰でもはじめられる身近で具体的な手法。
これだ!遠くにいる私たちにできること、矢野さんの講座をプレゼントしよう!きっと、東北の方々が目指されていることを実現する有効な方法だと直感し、矢野さんに東北での講座開催をご相談させていただきました。
フィールドとなるのは、宮城県気仙沼市本吉町前浜。津波で被災した場所に「ツバキば植えっぺ」という被災後間もない避難所での第一声をきかっけとした「3.11で被災した気仙沼の前浜・椿の森プロジェクト」。この土地と深く結びつき、復興のシンボリックな存在でもある椿の木を主体とした森をつくり、伝統の椿油搾り(キリン締め)を継承しつつ、防災も兼ね、そして地域の風土を形づくっていく森づくりの現場です。
未来を見据えて地域と真摯に向き合ってこられた地元の方々のすばらしい計画と、矢野さんが出会うことで、地上とともに見えない大地からの支えも得て、豊かで強固な地域の森が実現していくことと思います。
あまつちのうた
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