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「大地の再生」について

大地の再生 結の杜づくりについて

理念

「四喜の精神」を旨とした、自然と人が共生できる流域社会づくりをおこなう。
「四喜の精神」とは、学びの場における「私」と「あなた」の二者、及びその「地域の人々」、さらにその大地に生きる「生き物 (自然)」の四者がともに喜べる実態、のことを言いいます。

木々の声を聴き、風を読み、大地の呼吸を感じる。 循環と再生を、みんなの手で。

造園技師・矢野智徳(やのとものり)が長年にわたる観察と実践のくり返しを経て見出した環境再生の手法を学び、傷んだ自然の環境再生施工と、この手法の研究・普及啓発をテーマに活動しています。

私たち人間は、利便性の高い暮らしを求めて、森を支える自然地形を壊し、生きものの拠り所であった大地を傷めてきました。人工的に地形を変えることは、水脈と土中の空気の流れを変え、植物層を変え、やがては周囲の気候さえ変えてしまいます。 特に水脈は大地の要であり、分断されてしまうと様々な環境破壊を起こします。そこで私たちは、依頼のあった地域に赴いて分断された水脈・地脈をつなぎ直し、その土地の自然と人間の共存を目指す環境再生施工を行っています。

個人の庭園・農園から、公共土木工事まで、多様なご依頼をいただきますが、どこであれ、私たちは五感を使ってその土地の自然を観察し、できるかぎりその場の自然素材を使います。自然の営みは絶えず繰り返します。私達は繰り返す自然の営みに助けてもらいながら、必要最小限の介入を行うことを目指しています。お手本は自然。人と自然が近い暮らしをしていた時代、それはごく当たり前の感性であり知恵でしたが、私たちはこれを学び直し、現代の環境再生に役立てる活動をしています。

地域と自然とみんなで「結の杜づくり」

「大地の再生」による施工作業の多くは「講座」として開催し、できるだけ地域の人びとにも参加していただいています。私たちは、ご参加頂くみなさんと、地域の社会や自然の潜在的な環境再生力が出会い、学びながら一体となって協働することを「結」の作業と呼んでいます。

「杜」は「森」とほとんど同じ意味で使われることもありますが、もとは結界で守られた神聖な領域を意味する言葉です。私たちは、作業に向き合う場所を「結の杜」として、そこにある自然を敬い、大切に作業をさせていただくという想いを共有しています。

私たちの活動指針

流域ごとの風土の再生をめざす

奥山の森林・自然は下流の都市と繋がっていて、下流の自然は上流の自然にも大きな影響を与えていることがわかっています。流域全体で考えることがその土地の風土の再生を促します。

大地の呼吸と循環を再生する
(大地の空気と水の通り道を再生する)

現代の土木工事の多くは土中の水脈を分断し、空気の通り道を塞いできました。私たちは、日本各地の大地が呼吸を取り戻し、全体が循環する姿を目指して環境再生作業を行っています。

風の草刈り、風の剪定方法を身につける
(風と光を通す草刈りと剪定)

草刈りや樹木の剪定は、風や光を程よく遮り、通すように行います。刈りすぎず・伐りすぎず。風が揺らす部分を刈るので、「大地の再生」ではこれを風の草刈り、風の剪定、と呼んでいます。

自然と人との共同作業を大切にする
(結の杜づくり)

“結の杜”には誰でも参加することができます。
力の有る無しに関わらず、各々ができる範囲で「力の流れ」をつむいでいく。それぞれの命が連鎖してゆく自然の生態系の動きのように、力を合わせて“結の杜”をつくっていきます。

小さな一歩からできる環境整備を大切にする
(スコップと草刈り鎌一つから)

自然の営みを学ぶことで、誰でも小さな移植ゴテ(小さなスコップ)とノコ鎌を使って環境整備に参加することができます。

矢野 智徳プロフィール

矢野 智徳 (やの とものり)

元 一般社団法人 大地の再生 結の杜づくり 顧問
合同会社 杜の学校 代表

1956 年福岡県北九州市生まれ、花木植物園で植物と共に育つ。東京都立大学において理学部地理学科・自然地理を専攻する。全国を放浪して各地の自然環境を見聞し、1984 年、矢野園芸を始める。
1995年の阪神淡路大震災によって被害を受けた庭園の樹勢回復作業を行う中で、大量の瓦礫がゴミにされるのを見て、環境改善施工の新たな手法に取り組む。1999 年、元日本地理学会会長中村和郎教授をはじめ理解者と共に、環境 NPO 杜の会を設立。
現代土木建築工法の裏に潜む環境問題にメスを入れ、その改善予防を提案。在住する山梨県を中心に、足元の住環境から奥山の自然環境の改善までを、作業を通して学ぶ「大地の再生」講座を開催。

参考記事:
呼吸をしている限りはまだ間に合う 大地の再生(矢野智徳インタビュー/私の森.jp)

ひろがる 結の杜

矢野智徳とともに、全国で手がけてきた「大地の再生」講座や環境再生施工の事例は、400件以上にのぼります。自然を手本にした環境再生の考え方と手法が共感を呼び、全国に仲間を増やしています。

「大地の再生」講座や環境再生施工の事例

(北海道 ・東北 19件/甲信越 61件/北陸 18件/関東 36件/東海 28件/近畿 35件/中国 ・四国 46件/九州 ・沖縄 27件:2018年末)

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