~今なぜ大地の再生活動が被災地支援に必要か~
今、被災地では、地元の方々はもちろんのこと、全国各地から一般の方を始め行政を含む様々の団体の方々による 復旧作業がなされています。 その中で、私たち大地の再生活動グループは、全国各地で大地をはじめ生き物や建物、里山といった様々な場の空気と水の呼吸環境を整える環境改善を行って参りました。災害においても、阪神大震災、東日本大震災、伊豆大島土砂災 害、九州北部豪雨災害、西日本豪雨災害、最近では台風 19 号(長野・山梨・宮城)の災害復旧および被災地支援活動 に携わって参りました。
そうした一方で(こうした活動を踏まえて)、災害に対して別の側面で大事に受け止めていくと、じつは必ずしもマ イナス面ばかりではなく、その中には大事な環境改善の要素が含まれていることが見えてきます。災害的エネルギー というのは、もう一面において自然における環境改善のエネルギーでもあり、その撹乱的エネルギーは生態系の中の 空気と水の循環機能の改善再生でもあります。
詰まった大地を開放するその意味で、災害復旧は、環境の息づきを取り戻す大事な機会とすることができるのではな いでしょうか。
循環型の災害復旧とは、まず片付け整理をしていくときの、いの一番の取り組みとして、そこにあるものと場に、 新鮮な空気(息づき)を送ってやるということです。その場に呼吸が通ると、風と水の循環が生み出されます。つまり、まず人と風と水の動線を確保することが重要で、復旧作業の手順は、人の動線と空気と水の動線整備からス タートします。
第一にその動線エリアにあるものを、仕分け・整理しながら風が通るように仮置きし、空気と水の水脈動線と人の動 線の整備を促すことにより、被災地エリアの地上と地下の呼吸が再生してきます。また、その動線エリアの面や立体 にあたる場の単位ごとで、その動線に沿ったエリアごとの空気と水と人の動線整備を同じ要領でやっていくことによ り、土砂や、ゴミと称されるものが分類され、呼吸ができる状態で整備されていくことになります。
そうやってある単位の敷地だったり、道路だったり、農地だったり、様々な場の必要に応じたエリアの、風の動線整備を行うことにより、被災地エリアのミクロもマクロもその環境に応じた、呼吸が促され、大地も物も生き物もとり あえず、呼吸のできる仮復旧の状態が再生します。
大地の再生視点では、呼吸のできる環境とはいかなる環境かを具体的に模索し、提案をする活動を行ってきました。
息づく環境に向かうためには、呼吸不良・循環不良の環境に陥りやすい一極集中的な処理法とは別の方法−基本的にはその被災地エリアにあるものと場に空気と水の循環を促し、泥水と泥埃を消して、呼吸のできる大地とその場にある生き物やものを再生することです。結果として、被災地における大量の人工ゴミと災害残土が大幅に削減でき、なお かつ災害ごみや残土等の段階的・有機的な処理や本復旧に向けての足がかりが見えてきます。
つまるところ、自然のやってくれたことをできるだけ大事に工夫し、生かしながら、人の作業を積み上げてゆく共同 改善の方向へ向かうことではないでしょうか。その本質は、集約型ではなくて、空気と水の循環機能である分散型、平 等分配型の方向性と言えるのではないでしょうか。
2019 年 12 月 大地の再生 結の杜づくり顧問・環境再生医 矢野 智徳
→大地の再生 災害復興支援プロジェクト @千葉県市原市
これまでの災害調査報告・被災地支援の実績(時系列順)
東京都伊豆大島・土石流災害の調査報告(2013.12)
宮城県気仙沼市・津波被災地支援(2016.5 ~)
九州北部豪雨被災地支援 福岡県朝倉市(2018.6 ~ 7)
西日本豪雨被災地支援 広島県呉市(2018.8 ~ 9)
西日本豪雨被災地支援 愛媛県宇和島市(2018.8 ~ 12)
西日本豪雨被災地支援 岡山県倉敷市真備町(2018.)
北海道胆振東部地震調査報告(2018.9)
屋久島豪雨被害調査報告(2019.5 ~ 6)
・【屋久島】豪雨被害検証・1日目/一湊〜西部林道
・【屋久島】豪雨被害検証・2日目/ヤクスギランド周辺
・【屋久島】豪雨被害検証・3日目/大崩壊地の下へ
令和元年台風第 19 号被災地支援 長野県千曲川流域(2019.10)
令和元年台風第 19 号被災地支援 宮城県丸森町(2019.11)
・【丸森町】ライセンス講座(被災地支援)/1日目
・【丸森町】ライセンス講座(被災地支援)/2日目(その1)
・【丸森町】ライセンス講座(被災地支援)/2日目(その2)
・【丸森町】ライセンス講座(被災地支援)/3日目
令和元年台風第 19 号被災地支援 千葉県市原市(2019.12)
・大地の再生 災害復興支援プロジェクト
『災害支援活動報告』
(↑報告書ページにリンクしておりますので、クリックしてください。)
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