施工概要
場所:兵庫県明石市
期間 2016 年 11 月〜2017 年 6 月
依頼内容:明石市の区画整備事業の一貫でコンクリート擁壁工事が一新されることになった。擁壁周辺はヤブに覆われた敷地で、土壌のヘドロ化や泥水にも悩まされていたため、原因の調査依頼から施工までの依頼をいただいた。
現地調査(2016 年 11 月)
依頼以前に行われていた明石市側の擁壁撤去作業で、すでに土が掘削され、3m ほどの高低差ができていた。敷地は河川へとつながる地下水脈の範囲にあったため、高低差にしたがって大量の水が湧き出てしまっていた。(写真参照)
根本的な問題はコンクリートの打設方法ではなく、地下水脈を遮ったことにあるのだから、何度擁壁を打設し直したとしても、再び問題が起きてしまう。そこで、私たちは、明石市に大地の再生手法、通気浸透水脈整備を設計に組み込み、地下水脈の問題を根本的に解決するよう提案した。
施工工事(2017 年 6 月)
明石市の公共工事に、「大地の再生」施工チームが並走するかたちで作業は進められた。私たちは、コンクリート擁壁の中の鉄筋の間に塩ビパイプを縦に設置。擁壁の中でせき止められてしまう水を適切に逃がすためである。パイプの横に開ける穴も、水の通り道を予想しながら丁寧にジグザグに配した。
大地の再生手法では、自然素材を利用して、土中に空気の通り道、水の抜け道をつくる。炭、竹(笹がついた状態のもの)の順にパイプの周りに敷き、さらにその上に1mの砕石層を作った。
1mの砕石の上に重ねてさらに竹を敷き、埋戻しの土圧に負けないよう、十分な空気の通り道を確保する。
3mあった段差を、完全に埋戻す作業
施工工事完了。
この下には竹、炭、砕石層、塩ビパイプなどが埋設され、水と空気の通り道がつくられている。
しばらくすると、敷地に草が生えてきた(時期は?)泥水やヘドロ溜まりはもう確認できない。水によって侵食されるリスクが軽減した鉄筋コンクリート擁壁の耐用年数も長くなるだろうと考えられる。
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