採石跡地周辺の施行を終えると、休む間も無く林道の上流へと向かいながら、水脈と水切りを設置していく。その後を作業班が追う。
直線的な坂道の林道は、雨になれば林道そのものが川になって道を削り泥水を出す。周囲の植物にも悪影響を与える。そこで欠かせないのが水切りである。道から降りてきた水が谷側に分散放流するように溝を掘り、そのガイド・補強として木を渡していく。
急峻で水量が集まりそうな場所は、ダブルで丸太を使い、杭を打って入念に止める。ビフォー・・・
アフター。
クヌギの直下にこの岩場の谷にようやく到着。ここは斜面変換線をより念入りに掘り、枝を入れ最後に丸太を載せた。
昼食をはさんで敷地の駐車場周りに取り掛かる。やはり、出入り口の水が集まる場所に手を入れる。
炭を入れコルゲート管を配置。
割り竹や枝葉を入れて、丸太を載せていく。
駐車場のぐるり周囲にも水脈を。
既設の配管や配線には十分注意しなければならない。ここは下をくぐらせている。
矢野さんはさらに上部の施設の穴あけを始める。擁壁のきわのアスファルトに穴を穿っていく。
その穴に炭の補給。
さらにU字溝に穴を開けていく。
終了間際、なんとか最上部の施設にたどり着き、岡山チームが強力な結の連携を見せて水脈ができあがっていく。
駐車場に戻り、整地の修正作業。
終了後、わらの施設内で3日間の施行の全体を振り返る。そして各自の感想を述べてもらう。主宰の船越さんは施行後のため池周りをみて「涙が出た」そうだ。その違いはきっと誰にでもわかるだろう。
施業後の姿は確かに地味なのだが、「暗くて嫌な感じのする、おどろおどろしい場所」が「風の通るすっきりとした、清らかな感じの場所」に劇的に変わってしまうのだ。それは見た目だけではない、五感を超えた何ものかに私たちが反応するのである。
その敷地の変化に感応するかのように、「百姓屋敷わら」の食住と、船越さんのトーク、そして雲海や朝日を堪能させていただいた3日間だった。
レポート:大内正伸(イラストレーター・作家)
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